
キッチンカーでチュロス屋を開業したいけど、何から始めればよいのか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
本記事は、キッチンカーでチュロス屋を開業するための各種手続きや準備について詳しく解説します。
キッチンカーの専門家が、チュロス屋成功のコツも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
キッチンカーのチュロス屋の開業に必要な資格と営業許可
キッチンカーでチュロス屋を開業する際、資格取得や各種届出について不安を感じる方も少なくないようです。
ここでは、キッチンカーの開業に必要な資格や手続きについて解説します。
食品衛生責任者の取得
キッチンカーの営業は、法律により、食品衛生責任者の配置が義務付けられています。
これは、キッチンカーに限らず、食品を取り扱う実店舗でも同様です。
食品衛生責任者の資格は、各自治体の食品衛生協会が開催する講習を受けることで取得できます。
講習費用は1万円前後、講習は6時間程度に設定されているものが多いようです。
栄養士・調理師・製菓衛生士などの資格を保有していれば、講習を受ける必要はありません。
保健所の営業許可
営業許可の申請先は、出店地域を管轄する保健所です。
営業許可を得るには、シンクの数、給排水設備などの設備基準を満たしている車両を保有している必要があります。
自治体によって基準項目・設定が異なるため、キッチンカーでチュロス屋を開業する場合は、出店先となる自治体の営業許可基準を調べましょう。
なお、営業許可は出店先となる都道府県ごとに取得が必要で、5年ごとの更新が義務付けられているので注意してください。
キッチンカーのチュロス屋に必要な設備
ここからは、キッチンカーのチュロス屋に必要な設備や用途目的について解説します。
キッチンカーの設備
食品を販売するキッチンカーには、以下のような設備が必要になります。
設備 | 容量・用途などの詳細 |
シンク | ・2槽以上が基本 ・手洗い用と調理道具などの洗浄用とで分ける |
給水・排水タンク | ・給水タンク:手や調理道具を洗うための水を溜める ・排水タンク:使用済みの水を溜める ・200ℓ程度の容量があれば、仕込みや食器洗浄にも対応可能 |
換気扇 | ・車内で十分な換気を行う |
照明 | ・車内で十分な明るさを確保する ・店の雰囲気作りにも効果的 |
作業台 | ・調理や片付けなどに対応できるスペースを確保 |
冷蔵庫・冷凍庫 | ・発電機などによる冷蔵、冷凍設備 ・取り扱う商品に合わせる |
収納スペース | ・調理道具や包装材を安全、衛生的に管理する |
チュロス調理に必要な設備
キッチンカーの目的は、移動しながら飲食物を販売することなので、車内に基本的な調理設備が搭載されています。
チュロス屋を営業するには、基本設備以外に、以下のような設備・道具が必要となります。
設備 | 容量・用途などの詳細 |
フライヤー | ・油で揚げるため ・サクッとした食感を出したいなら電気式ではなくガス式を選ぶ |
星形口金 | ・チュロスの特徴的な形を形成するのに必要 ・星形にすることで水蒸気の逃げ場を作り、爆発を防止する |
保温型ショーケース | ・作り置きする場合に便利 |
コールドテーブル | ・限られたスペースを有効活用するため ・冷庫(冷蔵庫・冷凍庫)と調理台がセットになった設備があると便利 |
調理器具一式 | ・ボウル、スパチュラ(へら)など |
チュロス屋は、基本設備に追加する設備・道具がそれほど多くないため、キッチンカーでの販売に向いている業態と言えるでしょう。
移動販売でチュロスを販売するメリット
キッチンカーでチュロスを販売するメリットを紹介します。
片手で食べられて持ち歩きやすい
キッチンカーは、ショッピングモールや遊園地、大規模イベントの会場などで出店される傾向にあります。
このようなシーンでは、その場で食べる、もしくは移動しながら食べるという人が多いと考えられます。
そのため、片手で持って食べ歩きができるチュロスは、買い手の行動心理にマッチする商品です。
移動販売には、購入後にすぐに食べられる手軽さが求められるため、チュロスはキッチンカーでの販売に向いていると言えるでしょう。
テーマパーク風の特別感で高単価が狙える
チュロスは、テーマパーク・遊園地・映画館など、特別な時間・空間で食べるものという印象を持つ方が多いようです。
このような非日常空間では気持ちが大きくなるので、高価な商品でも売れやすくなります。
特別感を演出できるチュロスは、単価を高く設定しても購入してもらいやすいため、キッチンカーでの開業が初めての方にもおすすめです。
アレンジ自由でメニュー展開が容易
キッチンカーでは、メニュー数の多さが集客のポイントになります。
メニュー数を増やせば興味を持つ人が多くなるため、購入してもらえる可能性が高まると考えられます。
ただし、メニューを増やすことでオペレーションが煩雑化すると、提供スピードが遅くなり販売個数が落ち込むリスクもあります。
その点、チュロスはオペレーションの手間を増やさずにアレンジメニュー数を増やせるため、高い集客が見込めるでしょう。
作り置きができ、提供がスピーディー
キッチンカーでのチュロス販売は、出店先で生地を揚げるだけと非常にシンプルです。
そのため、提供スピードが極端に遅くなることがなく、高い回転率をキープできます。
さらに、まとめて揚げたチュロスをホットショーケースに作り置きしておけば、注文してすぐに提供することが可能です。
揚げるだけで調理が簡単、スタッフ教育も容易
チュロスの製造工程は、成形まで終わっている冷凍生地を油で揚げるだけなので、高度な調理技術を必要としません。
基本工程に、砂糖・チョコレート・抹茶などのフレーバーをかけたり、生クリームなどをトッピングしたりする工程を加えるだけなので、誰でもすぐに対応できます。
アルバイト初日という方でも即戦力になれるため、人材確保・教育などの手間を軽減できます。
キッチンカーでチュロスを販売するデメリット
キッチンカーでチュロスを販売する唯一のデメリットを紹介します。
ランチ営業には不向き
チュロスはスペイン発祥の揚げ菓子で、食事としての役割を果たすのは難しいでしょう。
小腹を満たす、気軽につまめる食べものとして定着しているため、軽食・スイーツとしての需要を狙うのがおすすめです。
イベントや観光地、ショッピングモールなどで出店すると、買い手のニーズとマッチするので、売上アップが期待できます。
キッチンカーのチュロス屋を開業するまでの流れ
ここからは、キッチンカーでチュロス屋を開業するまでの流れを解説します。
事業計画と資金計画を立てる
まずは、事業計画と資金計画を立てます。
事業計画では、売上・経費・利益などを算出し、開業後の見通しを立てておくことが大切です。
事業計画に基づいて開業費・運転資金を決定し、その調達方法を検討します。
自己資金が十分でない場合は、金融機関からの借り入れや補助金・助成金の活用も検討しましょう。
保健所で必要条件を確認する
営業許可を得るためには、出店先となる自治体ごとに、車両設備の基準などに関する情報を収集する必要があります。
複数の自治体で出店を検討している場合は、すべての保健所の基準を満たしたキッチンカーを調達しなくてはなりません。
営業許可を得るためには費用・時間がかかるので、早めの準備を心がけましょう。
キッチンカーの購入
キッチンカーを手に入れる方法は、
- 新車を購入する
- 中古車を購入する
- レンタルする
の3つに分けられます。
いずれの場合も、事前に確認した設備条件を満たす車両(例:フライヤー設置可能な軽トラック型)か、などをしっかり確認しましょう。
特に新車で購入する場合は、お店のコンセプトやお客様のニーズとズレのないキッチンカーを選ぶことが大切です。
キッチンカーにこだわるポイントなどをあらかじめ洗い出しておき、理想を叶えてくれるキッチンカー業者を探しておきましょう。
なお、新車のキッチンカーは、注文を受けてから製作するのが一般的です。
開業日を設定している場合は、早めに注文して納車日を確認するようにしてください。
食品衛生責任者の資格を取得
冒頭で紹介した通り、栄養士・調理師などの免許を持たない場合は、食品衛生責任者の資格を取得しなくてはなりません。
保健所による検査の時点でこの資格を保有している必要があるため、検査より前に講習を受けましょう。
講習は、通常1か月に複数回の頻度で開催されますが、満席になると受講できないため、早目に申し込むと安心です。
販売メニュー・レシピの確定
キッチンカーの注文・納車や資格取得と並行して、チュロスのフレーバーやトッピング、調理オペレーションを決めていきます。
チュロスのフレーバーやトッピングは、定番メニューに加えて最新のトレンドを取り入れ、試作を繰り返してから提供しましょう。
チュロスを作る工程はシンプルですが、注文を受けてからお客様に渡すまでの工程を確認し、素早く提供できるように準備を整えておきましょう。
営業許可取得・開業
通常は、キッチンカー納車後に保健所の検査を受けます。
保健所から営業許可が下りれば、無事にキッチンカーでチュロス屋を開業できます。
夏場の車内が高温に
キッチンカーは季節を問わず出店できますが、夏場の車内は高温になるため対策が必要です。
特に、チュロスは油で揚げる工程があるため、車内の温度が上がりやすくなります。
換気扇、扇風機で風通しをよくすることはもちろんですが、場合によってはエアコンの導入も検討するとよいでしょう。
また、水分・塩分補給など、基本の対策を徹底して夏を乗り切りましょう。
キッチンカーのチュロス屋を成功させるポイント
以下では、キッチンカーのチュロス屋を成功させるポイントを3つ紹介します。
アレンジ・セットメニューで客単価アップ
チュロスを含むスイーツは単価がそれほど高くないため、単体での販売にはあまり向いていません。
売上をアップするには、ドリンクとのセットや、複数のフレーバーとの食べ比べセットを用意しましょう。
SNSで積極的に発信
これから新たにお店を開く場合、業態や取り扱う商品に関係なくSNSによる集客は不可欠です。
見た目が可愛いというチュロスの魅力を、Instagram・TikTokなどで積極的に発信しましょう。
また、お店の商品をSNSで発信してくれたお客様に対し、割引する・無料トッピングをサービスするなどすれば、拡散力のアップが期待できます。
生地作りからこだわる
チュロスは冷凍生地を揚げて提供するのが一般的なため、他店との差別化がやや難しいです。
冷凍生地に頼らず、チュロスを生地から作って自家製レシピを確立すれば、他店にはないPRポイントとなるでしょう。
キッチンカーのチュロス屋で人気の店舗を紹介
ここからは、キッチンカーのチュロス屋で人気の店舗を3つ紹介します。
F&A KITCHEN
出店先は、和歌山県全域と大阪府の食品スーパーの店頭や道の駅です。
夏は「アイスチュロス」、秋はスイートポテトをサンドした「チュロサンド」など、季節に応じた限定メニューを数多く出品しています。
キッチンカーのレンタル・製造も手がけているので、出店準備の参考としてSNSをフォローしてみるとよいかもしれません。
走れチュロス
愛媛で自家製チュロスを販売するお店です。
定番の細長い形状ではなくドーナツ型なので、SNSなどで一際目を引いています。
夏季限定のラッシーやほろ苦い味わいのキャラメルコーヒーチュロスなどを販売し、幅広い客層を取り込んでいます。
KUROBOSHI
「国産の米粉で作った生地を米油で揚げる」というこだわりを持ち、特徴的な形状のチュロスをさまざまなトッピング・フレーバーで楽しめます。
小麦粉・卵を使用していないため、アレルギーの方も安心です。
有名アーティストとのコラボ商品を開発するなど、メディアで取り上げられることもあります。
集客・営業などの面で参考になる情報を多く発信しているため、一度SNSをのぞいてみるとよいでしょう。
キッチンカーでチュロスを開業するならMYキッチンカーへ
キッチンカーでチュロス屋の開業を検討されている方は、MYキッチンカーにお任せください!
MYキッチンカーでは、オーダーメイド製作やレンタル・リースなど、お客様のご希望に合わせた最適な料金プランのご案内が可能です。
移動販売の開業サポートはもちろん、個別コンサルも承っておりますので、キッチンカーでチュロス屋を初めて開業する方もぜひご依頼ください。
\無料個別コンサル実施中/
まとめ
食べ歩きに適している、調理工程がシンプルなどの理由から、チュロスはキッチンカー販売に向いている商品です。
ドリンクとセットで販売したり、フレーバー・トッピングなどを工夫したりすれば、売上アップも期待できます。
しかし、キッチンカーでチュロス屋を開業するためには、食品衛生責任者資格の取得や営業許可の申請などが必要です。
特に、所有するキッチンカーは、保健所による営業許可判断に大きく影響し、お店の雰囲気作りの土台となるため、慎重に準備を進めることが求められます。
キッチンカーでチュロス屋を開業したい方は、キッチンカーの専門業者に相談することで安心して開業準備を進められます。
お気に入りのキッチンカーで、チュロス開業を実現させましょう。