キッチンカーでのサンドイッチ販売には、移動販売ならではの自由度や手軽さなどの魅力があります。
一方で、単価や競合など、事前に把握しておきたい注意点も少なくありません。
本記事では、キッチンカーを開業したい人に向けて、キッチンカーでサンドイッチを販売する際の基本的なポイントや、運営のコツを解説します。
各種手続き情報や人気のサンドイッチ店も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
サンドイッチがキッチンカー販売におすすめの理由
ここでは、サンドイッチをキッチンカーで販売する魅力やメリットを紹介します。
持ち運びしやすい
サンドイッチは、片手で気軽に食べられる手軽さが魅力のひとつです。
包装された状態でも中身が崩れにくく、立ち寄ったその場で味わう人にも、家や職場へ持ち帰る人にも扱いやすいメニューといえます。
移動の多いキッチンカー販売においては、持ち運びやすさが大きな強みとなり、テイクアウト需要にも自然に応えられることが人気の理由です。
専門的なスキルが不要
特別な料理の技術がなくても、すぐに作れる手軽さもサンドイッチの魅力です。
基本の作業は具材をパンに挟むだけであり、調理経験の少ない人でも短時間で覚えられます。
誰でも同じ品質で作れるサンドイッチは、効率的な移動販売を可能にし、人手が増えても安定した提供ができる実用性の高いメニューです。
メニュー展開や競合との差別化がしやすい
サンドイッチは、パンと具材の組み合わせ次第で自由にアレンジでき、メニュー展開の幅が広いのが特徴です。
食事系からスイーツ系まで多彩に展開でき、季節限定や地域の食材を使ったオリジナルメニューの開発も容易です。
また、海外風サンドや創作系など、工夫ひとつで他店とは異なる個性を打ち出せるため、簡単に競合との差別化を図れます。
季節や時間に関係なく幅広い層に人気がある
サンドイッチは、季節や時間帯に左右されることなく、軽食にも食事にもなり、常に安定した人気を保てるメニューです。
また、子どもから大人まで馴染みのあるメニューとして親しまれており、オフィス街・イベント会場・公園など、どんな場所でも需要が見込めます。
特定の時期に依存せず売上を維持できることは、キッチンカー営業にとって大きな強みです。
メニュー次第で作り置きも可能
サンドイッチは、作り置きできるメニューとしても優れています。
あらかじめ個包装して冷蔵保存しておけば、注文後すぐに提供できるため、混雑時でもスムーズな販売が可能です。
メニューによっては、事前に仕込みを済ませておくことで接客に集中でき、少人数でも効率的に運営できます。
キッチンカーでサンドイッチを販売する方法
ここでは、キッチンカーでサンドイッチを販売する際に必要な資格と免許、設備について解説します。
必要な資格・免許
食品衛生責任者
サンドイッチのキッチンカーを始めるには、食品衛生責任者の資格が必要です。
飲食を扱うすべての営業所には、衛生管理を担う人を1名以上置くことが法律で定められています。
食品衛生責任者の資格は、各都道府県の食品衛生協会が実施する講習を1日受けることで取得でき、費用はおおよそ1万円前後が目安です。
保健所の営業許可
サンドイッチをキッチンカーで販売する際は、出店する地域を担当する保健所で営業許可を取得しなければなりません。
営業許可は、調理や販売を行う車内設備が食品衛生上の基準を満たしているかを確認するための制度です。
複数の地域で出店を予定している場合は、それぞれの管轄ごとに申請が必要となり、地域によって求められる条件や設備が異なることもあります。
なお、営業許可の有効期間は5年間で、継続して営業する場合には更新手続きが必要です。
キッチンカーに必要な設備
サンドイッチをキッチンカーで販売する際は、食材の鮮度を保つ冷蔵庫と冷凍庫、調理台、シンクが必須です。
また、保健所の基準を満たすためには、給排水タンクの設置も必要になります。
完成したサンドイッチを見せるショーケースや、場合によっては加熱器具や保冷・保温設備もあると便利です。
キッチンカーでサンドイッチを販売する際の注意点
ここでは、サンドイッチのキッチンカーを成功させるために知っておきたい注意点を確認しましょう。
競合店が多い
サンドイッチはコンビニやカフェ、専門店など、固定店舗でも手軽に手に入るメニューであり、出店場所によっては周囲の店と直接競合する可能性があります。
そのため、具材やパンの種類、味付けなどで独自性を打ち出し、他店にはない魅力を伝えることが大切です。
場合によっては、競合が少ない場所を選んで販売するのもよいでしょう。
商品単価が低い傾向にある
サンドイッチは手軽で人気のあるメニューですが、販売価格が比較的低くなりやすいことには注意が必要です。
1つあたり500円前後で提供されることも多く、単価が低いと売上の伸びが限定される場合があります。
収益を確保するためには、複数種類をセットにしたボックス販売や、ドリンクとの組み合わせメニューなど、客単価を上げる工夫が大切です。
管理コストが高い
野菜やチーズ、ハム、フルーツ、パンなど、多種多様な食材を扱うサンドイッチは、管理コストがかかりやすいことにも注意が必要です。
在庫管理や廃棄を最小限に抑えるには、細かなチェックや手間がかかり、人件費や時間的なコストが増加します。
さらに冷蔵設備の導入や電力消費も負担となるため、効率的な運営計画が欠かせません。
作り置き用の冷蔵庫も必要
サンドイッチをキッチンカーで作り置き販売する場合、作り置き用の冷蔵設備も設置しなければなりません。
調理済みのサンドイッチは、食材と同様に適切な温度で保管する必要があります。
特に事情がない限りは、ショーケースタイプの冷蔵庫を用意するのが無難です。
作り置き用の冷蔵庫には購入費用だけでなく、電気代などのランニングコストもかかるため、初期投資や運営費に計画的に組み込むことが大切です。
キッチンカーのサンドイッチ店を成功させるポイント
ここからは、サンドイッチのキッチンカーを成功へ導くためのポイントを見ていきましょう。
出店場所や時間に合わせたメニューを考える
キッチンカーでサンドイッチを販売する際は、出店する場所や時間帯に合わせてメニューを工夫することが成功させるポイントです。
平日のオフィス街では、しっかりとした食事感のあるサンドイッチが求められ、ボリュームや充実した具材が大切になります。
一方、週末のイベントや公園では、子どもや家族連れを意識したフルーツサンドや手軽に食べられる軽食系が人気です。
差別化やブランディングに力を入れる
キッチンカーでサンドイッチを販売する際は、パンや具材にこだわり、地域産の野菜や特別なハム、卵などを使用することで、他店では味わえない独自性を演出しましょう。
また、総菜系からスイーツ系まで多彩なメニュー展開を組み合わせれば、商品ラインナップの数でも差別化が可能です。
コンセプトを明確に打ち出し、見た目や味で「ここで買いたい」と思わせる工夫が、客単価アップとリピーター獲得につながります。
セットメニューを提供する
キッチンカーでサンドイッチを販売する際は、セットメニューを提供することが客単価向上に効果的です。
サンドイッチとドリンクを組み合わせたり、複数種類のサンドイッチを詰めたボックスを用意したりすることで、一度の購入で得られる満足度を高められ、リピーターの獲得にもつながります。
サイドメニューとしてサラダやポテトを加えると、さらに価値を感じてもらいやすくなるでしょう。
食材の種類を考える
キッチンカーでサンドイッチを効率的に販売するには、使用する食材の種類を適切に絞ることが大切です。
食材の数が多くなるほど、在庫管理や廃棄リスクが増え、結果として経費がかさむ可能性があります。
メニュー数をある程度保ちつつも、共通で使用できる食材を中心に構成することで、管理の手間を減らし、食品ロスを抑える工夫をしましょう。
SNSを活用する
SNSに投稿された見た目の美しいサンドイッチの写真には、来店意欲を高める効果があるため、SNSを積極的に活用しましょう。
具材や盛り付け、車両のデザインなど、見た目にこだわった演出はSNS映えしやすく、口コミやシェアを通じて幅広い層への宣伝効果が期待できます。
また、出店前に宣材用の写真を用意しておけば、営業日に効率よく情報発信を行うことも可能です。
サンドイッチレシピ考案のヒント
ここでは、サンドイッチ作りのアイデアや工夫のポイントを紹介します。
調理方法

サンドイッチのレシピには、基本の冷たい具材を挟むスタイルだけでなく、パンを加熱するホットサンドや、イタリアのパニーニ、フランスのクロックムッシュのように、香ばしく焼き上げる方法も人気です。
また、具材を見せるオープンサンドや、キューバサンドのような国際色豊かな調理法も人気です。
調理スタイルの違いを取り入れることで、味や食感のバリエーションを増やし、魅力的なサンドイッチを作りましょう。
ホットサンドのキッチンカーについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
▼ホットサンドのキッチンカーを開業する方法を解説
食材

サンドイッチは具材の自由度が高く、肉類だけでなく魚介類を主役にしたメニューも楽しめます。
たとえば、近年ではベトナム風のバインミーが人気です。
バインミーは、魚醤のヌクマムを加えることで旨味と香りが引き立ち、本場の味に近づきます。
また、焼き鯖のサバサンドのように、地域の特色を活かした具材選びも可能です。
定番から個性派まで幅広くアレンジでき、メニューの魅力向上や差別化にもつながります。
バンズ

サンドイッチのバンズには、食パンだけでなく、フランスパンやバゲット、クロワッサン、ピタパン、ロールパンなど多彩な種類があります。
パンの種類によって食感や風味が大きく異なるため、具材とのバランスを考えて選ぶことが大切です。
同じ具材でもバンズによって印象が大きく変わり、メニュー作りの幅も広げられます。
スイーツ系

サンドイッチは食事系だけでなく、スイーツ系のアレンジも人気です。
旬のフルーツや生クリームを挟んだフルーツサンドは、見た目の華やかさもあり、外国人観光客や若者から注目を集めています。
季節限定のフルーツや、アイスクリームを挟んだサンドイッチなどは、デザート感覚で楽しめ、幅広いニーズに応えることが可能です。
フルーツサンドのキッチンカーについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
▼フルーツサンドのキッチンカーを開業する方法を解説
人気のキッチンカーサンドイッチ店
ここからは、開業する際に参考になる人気のキッチンカーサンドイッチ店を紹介します。
サンドイッチ専門店COM SAND

サンドイッチ専門店 COM SANDは、愛知県を拠点とするキッチンカーで、見た目にも楽しめるボリューム満点なサンドイッチが特徴です。
管理栄養士が手掛ける具材は、すべて手作りで、サンドイッチに最適な味付けにこだわっています。
「BLTEサンド」や「塩麹鶏ハムとキャロットラペ」「デニッシュパン(アイス)」など、定番から創作系、スイーツ系まで多彩なメニューを取り揃えています。
走れ!サンドイッチ 少年

走れ!サンドイッチ少年は、福岡市に拠点を置くキッチンカーで、魚料理に特化したユニークなメニューが特徴です。
2日間じっくりと煮込んだ鯖を食パンにたっぷりと挟んだ「鯖煮サンド」は、味噌煮と醤油煮を日替わりで提供しています。
ドリンクには、レモネードやジンジャーエールなど、爽やかな飲み物が揃っており、サンドイッチとの相性も抜群です。
EMPINGAO

EMPINGAOは、京都府、大阪府、兵庫県を中心に出店しているキッチンカーで、キューバサンドを中心に多彩なメニューを提供しています。
自家製ローストポークを特製ソフトフランスパンに挟み、オリーブオイルでサクッと焼き上げたオリジナルキューバサンドが看板メニューです。
揚げたてのフライドポテトや自家製のかき氷、ホットワインなど、ドリンクやサイドメニューも充実しています。
ルリイロサンド

ルリイロサンドは、愛媛県松山市を拠点に展開するキッチンカーで、幸せを運ぶ鮮やかな瑠璃色のトラックが目印です。
無添加の燻製肉(チキン、ベーコン、ポークなど)を使用し、愛媛県産の新鮮な野菜と組み合わせたヘルシーでボリューム満点なサンドイッチを提供しています。
季節ごとの旬のフルーツを使用したスイーツ系サンドや、店舗限定の焼き菓子も人気です。
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まとめ
キッチンカーでサンドイッチを販売する際は、事前の手続きや資格の取得、設備の準備など基本を押さえることが大切です。
また、出店場所や時間に応じたメニュー選び、差別化やSNS活用などの工夫も売上アップにつながります。
成功のポイントを意識することで、魅力的なサンドイッチ店づくりと安定した運営を実現しましょう。