
キッチンカーでの開業を目指している場合、食材をどこで仕入れるかは重要なポイントです。
ここでは、業務用食材の仕入れ方や業者の特徴、取引先として選ぶうえで押さえておくべきことと併せて、食材仕入れの手続きや成功のコツも含めてご紹介していきます。
これから開業を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
食品の仕入れにはまずロット数量を考えて!
大量発注での仕入れは、仕入れコストを抑えるうえで有効です。
しかし、大量発注は本当にお得と言えるのでしょうか。
小ロットで仕入れるメリット
小ロットでの注文は大量注文に比べ、食材1個あたりの単価が高くなりがちのため、デメリットに感じることもあるでしょう。
しかし、小規模な飲食店を開業する方にとって、小ロットでの仕入れはメリットも多く、損ではありません。
いくつか例を挙げて紹介します。
食品ロスの削減で利益率アップ
中規模から大規模な飲食店は大量発注しないと、商品の生産が追いつかないでしょう。
しかし、キッチンカーなどの小規模な飲食店に、大量発注は果たして必要でしょうか。
たとえ食材が比較的安く手に入っても、食品ロスが出てしまうとその分無駄になり、廃棄が多すぎた場合はかえってコスト増になってしまいます。
一方、小ロットでの発注は必要最小限の注文で食品ロスを防ぐことが可能です。
発注の頻度は増えるかもしれませんが、廃棄分の損失を防ぐことで、結果的に利益率のアップが期待できます。
いつも新鮮でおいしい食材が使える
最小限の食材をこまめに注文することで、いつでも鮮度を保ったままの食材が確保できるでしょう。
その日のうちに使い切ってしまうため、鮮度がよい状態での提供ができます。
食材を余らせないことで鮮度を落とさず提供できるのは、小規模な飲食店だからこそ実現できる大きなメリットです。
保管場所の確保が小スペースで済む
小ロットの仕入れであれば、食材の保管も省スペースで済みます。
特にキッチンカーの開業であれば、仕込みのための調理場も限られたスペースで運営しているため、スペースを節約するメリットは大きいと言えるでしょう。
おすすめ!食材の仕入れ先
ここからは、飲食店経営でよく利用されている代表的な仕入れ先をご紹介します。
加えて、キッチンカーの視点からみたメリットやデメリットも解説します。
卸売業者
卸売業者は、飲食店全般で最も利用率の高い仕入れ先です。
扱う食材の種類が豊富で、電話、FAX、Webサイト、アプリなどさまざまな注文方法があります。
一度契約すると、指定の場所まで食材を届けてくれることや、交渉によってはお得な価格で仕入れることが魅力です。
掛け売りでの対応ができる点も、他とは違うメリットと言えるでしょう。
しかし、基本的にはケース販売が主流のため、小ロットでの注文には対応できない、あるいは単価が高くなるといった可能性があります。
また、新しい食材・商品の取引には契約がその都度必要となり、入荷までに数日かかることは覚えておきましょう。
市場
市場は、あまり出回ることのない地元の希少な食材などを扱う、地域に根付いた食材の宝庫です。
旬の新鮮な食材を仕入れることができます。
市場には独自のルールが設けられていることも多く、新しく参入する人にとっては、やや敷居の高さを感じることもある点がデメリットかもしれません。
さらに、食材の鮮度や品質を自分の目で判断して仕入れることになるので、食材の知識や目利きも必要とします。
また、定休日など仕入れができない日があるので、注意しましょう。
業務用スーパー
業務用サイズの食材が豊富に揃っており、一般家庭の買いもの先としてもよく利用されます。
小ロットで購入しやすく、営業時間内であれば急な仕入れが必要になったときにも気軽に利用できるでしょう。
自分の目で食材を確かめて購入できるうえ、価格は一般のスーパーに比べると安価な品が豊富です。
ただし、一般的なスーパーに比べると店舗数が少なく、自分の営業エリア内にあるとは限りません。
また、支払方法が現金のみで、クレジットカード決済など店舗によっては対応していないところもある点はデメリットと言えるでしょう。
通販
最近は、仕入れ用のECサイトからの購入も手軽で人気があり、利用者も増えています。
飲食店向けの食材を豊富に扱うWebショップで、卸売業者が扱うような食材を注文できます。
一般的なWebショッピングと同じような感覚で食材をお得に仕入れることや、身近なお店では扱うことのない専門的かつ珍しい食材など、地方限定の食材も仕入れやすいのがメリットです。
通販の場合、小ロットで購入しやすいことからキッチンカー運営者にもおすすめです。
しかし、食材を直接見て購入できないことや、価格交渉がしにくいことはデメリットと言えるでしょう。
また、配送コストに注意する必要があります。
小売店・専門店
近所にあるスーパーや八百屋、精肉屋など、気軽に仕入れができる点が大きなメリットです。
営業時間内であれば、足りないものだけを速やかに調達できます。
一方デメリットは、品揃えや価格、配送に応じていないお店が多いこと、支払方法が限られていることなどが挙げられます。
卸売業者おすすめ【3選】
卸売業者の中から仕入れ先を検討したい方におすすめの会社を3つご紹介します。
三菱食品
食品の卸売業界では有名な、業界売上・知名度ともにトップと言われる企業です。
食材配送サービス「RYQUE(リクエ)」なら、飲食店で扱うほぼすべての食材をバラ売りで対応してくれます。
スマホから簡単に注文ができ、食材カタログにないアイテムの調達にも応じてくれるでしょう。
定番の食材はもちろんですが、有機野菜やB級野菜、カット野菜など用途に応じて選べる食材が豊富なうえ、海鮮に関しては、時間のかかる下処理をしているものもあり、すぐに調理に取りかかることが可能です。
さらに、営業担当のサポートや掛け売りによる支払いなど、キッチンカー運営を補助するサービスも充実しています。
東京・神奈川・千葉・埼玉・静岡以外のエリアに関しては、姉妹サイト「ロコパン」が利用できるので、そちらをチェックしてください。
国分
国分は老舗の卸売企業として知られています。
扱う食材の数は業界トップクラスで、品揃えのよさが魅力です。
全国的に関連会社や拠点があるため、主要都市圏にいなくても利用しやすいのも嬉しいポイントと言えるでしょう。
オリジナル商品も多数あり、酒類や「缶つまシリーズ」が人気で、お酒を扱うお店にもぴったりです。
久世
外食産業に特化した食材の卸売会社で、首都圏での売上が高いことで知られています。
外食産業に関する知識やノウハウを熟知していることから、繁盛店になるためのコンサルティングにも対応可能です。
インターネットから簡単に注文できるシステム「久世らくらく発注」から手間をかけずに仕入れもできます。
主にイタリア料理向けの食材や、デザートに役立つ食材も豊富に揃えていることから、イタリアンメニューやスイーツを扱うお店に人気です。
業務用スーパーおすすめ【2選】
業務用スーパーは一般の方もよく利用するため、馴染みがあるのではないでしょうか。
直接店舗に行って手に取れるので、下調べもしやすく、おすすめです。
業務スーパー
食品卸企業の神戸物産が運営しており、飲食店従事者に限らず一般の消費者も多く利用しています。
全国的にチェーン展開し、賞味期限の長い常温・冷凍食品を扱っています。
主に生鮮食品や加工食品や調味料が豊富です。
世界45か国の工場との直接取引により、日本ではあまり一般的ではない食材も入手が可能なので海外のメニューや、少ない手間で作ることができるメニューを提供したいお店づくりに役立つでしょう。
アミカ
東海地方を中心に展開する業務スーパーで、一般消費者も利用できます。
3種類の異なるプライベートブランドを有しており、健康志向、高齢者向けなどさまざまなニーズに応えています。
コスパに優れた高品質な食材がならび、和・洋・中華・エスニックと多様なレシピに対応できる品揃えです。
デザート製品も多いため、スイーツメニューを充実させたお店に向いています。
通販おすすめ【4選】
手軽で、簡単に利用できる通販のおすすめ会社を4つご紹介します。
食彩ネット
株式会社サイネックスの子会社が運営しています。
取扱商品は食材だけでなく消耗品・厨房用品などの備品にまでおよび、そのラインアップは国内トップクラスです。
季節ものの商品が定期的に掲載されるため、メニュー展開に幅を増やしたいお店に向いています。
また、すぐに提供できる朝食メニューやシニア向けのメニューに適した食材などもあるので、時間帯やターゲットの年齢層を絞って営業したいお店も利用しやすいでしょう。
MICREED(ミクリード)
個人経営の飲食店など小規模経営店への提供に特化しており、キッチンカー運営には特に使いやすいサービスが充実しています。
食材は、バイヤーが味のチェックをしており、品質の信頼は確かです。
また、他のサイトにはあまりないサービスとして試食サンプルがあり、事前に自分の舌で味を確かめることができます。
小ロットからの注文に対応しており、深夜2時までの注文なら翌日配送という迅速なサービスも兼ね備えており、夜遅くまで営業しているお店には嬉しいポイントと言えるでしょう。
手の込んだ仕込み商品が豊富なので、居酒屋メニューや家庭料理にアレンジを加えたメニューなどを少ない手間で提供できます。
Mマート
出店数1,100店超えの業務用食材を取り扱う、マーケットプレイスです。
出店している業者と直接サイト上でやりとりをして購入する仕組みのため、仲卸にかかるコストが省け、より安価な価格で購入できます。
また、レビューによる評価があるので、購入する際は出品者の評価を参考にしましょう。
格安商品や珍しい商品などのコーナーも設けられており、より安価で変わったメニューを提供したい方にもおすすめです。
BtoB eSmart
個人事業者専門の小ロットで仕入れやすい会社です。
食材から備品まで揃っているため、キッチンカー運営に必要なものを一式揃えられます。
商品名と仕入れ価格を登録するだけで、コストダウンにつながる商品をマッチングする仕入れコストダウン機能があり、商品の最安値が簡単に調べられるほか、その場で購入も可能です。
また、マッチング結果から仕入れ商品の相場も知ることができるので、仕入れ先を常に検討し、より食材にかかるコストを抑えたいときに役立つでしょう。
知っておくべき業者選びのポイント
これからキッチンカーの運営を目指そうとしている方や、食材の仕入れに慣れていない方は、どの業者を選ぶべきか迷ってしまいがちです。
そんなときは以下のポイントを意識し、業者選びを検討してみてはいかがでしょうか。
食材の品質と価格のバランスが釣り合っているか
食材の仕入れコストを下げることは、飲食店の運営において大事なポイントと言えます。
しかし、原価ばかりに気をとられると、品質を下げてしまう可能性があるため、注意が必要です。
品質と価格のバランスがとれているかどうか、慎重に検討してください。
まず、通販などの自身の目で食材を確かめることができない仕入れ方法ならば、試食サンプルがある会社などで積極的に試食しましょう。
市場や小売店、業務用スーパーなどからの仕入れはお試しで購入してから決めることをおすすめします。
配送条件がよいか
配送を行なっている業者でも、決められた曜日しか配送しないなど、毎日決まった時間に届けてくれるとは限りません。
地域により配送条件が変わることもあるため、あらかじめ調べておきましょう。
サイトによって配送は曖昧なところもあるので、事前に直接業者へ問い合わせる方法が確実です。
支払方法と支払いサイトが自分にマッチしているか
掛け払いに対応できるかどうかは、仕入れ先を決めるのに重要なポイントです。
食材の仕入れでは、仕入れ先によって支払方法が異なるので、注意してください。
支払方法や支払いサイトが自分にとって使いやすいかどうかに加え、資金繰りを考えるうえで、無理がないかを考慮しながら検討しましょう。
取引先の対応
取引先の対応がよくなければ、営業に支障をきたす可能性もあるので、慎重に見極める必要があります。
またその他、卸売業者の中にはコンサルティングのサポートが受けられるところもあり、営業担当の人とのやりとりによって、タメになる情報を入手することも可能です。
こうしたやりとりは営業をするうえで重要になってくるので、積極的に業者とコミュニケーションを交わしましょう。
コンサルティングサポートがなくても、取引先のサービスやサポートが充実していれば、それだけ利用しやすく便利です。
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まとめ
キッチンカーなどの小規模な飲食店では、小ロットからの注文に応じてくれる業者を見つける必要性があります。
自分に合った業者を選ぶことは、利便性やメニューの組み立て、これからの営業にもかかわる重要なポイントです。
ぜひ、今回ご紹介した内容も踏まえて、仕入れ先を検討していきましょう!