
モンブランは、見た目の華やかさと上質な味わいで多くの人を惹きつける人気のスイーツです。
そのため、キッチンカーとモンブランの組み合わせは、話題性のある移動販売にぴったりといえます。
本記事では、そんなモンブランのキッチンカーを始めたい人に向けて、開業に必要な準備やモンブランのキッチンカーを成功させるためのポイントを紹介します。
モンブランのキッチンカーを開業するために必要な資格と営業許可
モンブランのキッチンカーを開業するためには、食品衛生責任者の資格と保健所の営業許可を得る必要があります。
食品衛生責任者
モンブランのキッチンカーを始めるには、食品衛生責任者の資格を取る必要があります。
食品衛生責任者の資格は、飲食の仕事に欠かせないもので、各地域の食品衛生協会が主催する講習を受けて取得することが可能です。
講習は一日で完結し、およそ6時間の学習と簡単な確認テストを経て修了します。
なお、栄養士や調理師、製菓衛生士といった資格を有する人は受講が免除されます。
保健所の営業許可
モンブランのキッチンカーを始めるには、保健所の営業許可を得ることも必須です。
車両が基準を満たしているかどうか審査し、シンクの設置数や給水・排水タンクの容量など、衛生管理に関わる設備が整っていなければ認められません。
許可は都道府県単位で発行され、1台ごとに申請が必要です。
また、複数の地域で営業したい場合は、営業先ごとに申請を行わなければなりません。
許可の有効期限は5年間と定められており、更新を怠ると営業を継続できなくなります。
キッチンカーでモンブランを販売するために必要な設備
ここでは、キッチンカーでモンブランを販売する際に必要な設備について解説します。
モンブランを作るために必要な設備
モンブランをキッチンカーで販売するには、土台となる焼き菓子を仕上げる業務用オーブンが必要です。
ガス式は火力が強く素早く焼け、電気式は温度や焼き色を細かく調整できるため、仕上がりのイメージに合わせて選ぶとよいでしょう。
さらに、モンブラン特有の美しい筋模様を作るには絞り袋と専用の口金が必須アイテムです。
そのほか、生地やクリームを扱う際に使うボウルやまな板、包丁といった基本的な調理器具も用意しましょう。
冷蔵保存用のケースや、持ち歩きしやすいカップ・容器など、提供方法に合わせた資材も揃える必要があります。
保健所の基準を満たすために必要な設備
保健所の営業許可を得るには、車内に清潔な環境を維持できる設備を整えなければなりません。
まず、2槽以上のシンクと十分な容量の給水・排水タンクを備え、食材の下処理や手洗いを衛生的に行えるようにしましょう。
調理や盛り付けを支える作業台と器具を整理する収納スペース、生クリームやフルーツを新鮮に保つための冷蔵庫・冷凍庫も必要です。
また、快適に作業できるよう、換気扇や明るい照明を設置することも求められます。
モンブランのキッチンカー開業までのステップ
ここからは、モンブランのキッチンカーを開業するまでに必要な流れを見ていきましょう。
コンセプトと計画を立てる
開業を目指す際には、まずお店の方向性を固めることが大切です。
誰に向けてモンブランを届けたいのか、どのような場所で販売するのかを具体的に考えましょう。
その後、資金の使い道や運営の見通しを具体的に立てることで、安定したスタートを目指せます。
資金を調達する
自己資金、融資、補助金といった選択肢を検討し、必要な資金をどのように確保するかを考えましょう。
貯金だけでは不足する場合は、金融機関からの借入を検討するのもひとつの方法です。
また、地域や業種によっては創業を支援する補助金や助成金を利用できることもあります。
キッチンカーを用意する
購入・改造・レンタルのいずれかを選ぶことが、キッチンカーを準備する際の基本です。
新しく車両を購入すれば、自由度は高いものの費用が大きくかかります。
一方、自家用車を改造して使う方法は、比較的コストを抑えられるでしょう。
また、短期間の営業や試験的に始めたい場合は、レンタルを利用するという方法もあります。
資金の状況やどのくらいの期間運営するのかを踏まえて、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
食品衛生責任者の資格を取得する
食品衛生責任者の資格は、各地域の食品衛生協会で実施される講習を予約して受講します。
受講日程は地域によって異なり、余裕をもって予約することが大切です。
協会の公式サイトや電話で申し込みができるため、開業準備のスケジュールに合わせて早めに手続きを行いましょう。
開業準備と並行して進めておくとスムーズにスタートできます。
保健所で営業許可を取得する
用意したキッチンカーの営業許可を、車両ごとに申請しましょう。
審査には日数を要することもあるため、開業を予定している日から逆算して、数か月前から準備に取りかかると安心です。
併せて、出店エリアを担当する保健所に早めに連絡を入れ、必要書類や検査日の流れを確認しておきましょう。
営業場所を確保する
キッチンカーは自由に好きな場所で販売できるわけではないため、駐車場など利用する場所の所有者と交渉し、許可を得る必要があります。
また、地域のイベントやマルシェに参加したい場合は、主催者に申し込みを行い、出店条件を確認しましょう。
キッチンカー専用のマッチングサイトやSNSで募集が行われるケースも多く、情報を早めにチェックすることが出店チャンスにつながります。
保険に加入する
自動車保険やPL保険に加入し、万が一の事態に備えておくことも大切です。
移動販売は車を使うため、まずは自動車保険に加入しましょう。
また、販売した食品が原因でトラブルが起きた際に対応できるよう、PL保険に入っておくと安心です。
キッチンカーでモンブランを販売するメリット
ここでは、キッチンカーでモンブランを販売するメリットを紹介します。
初期費用が安い
固定店舗を構える場合、内装工事やテナント料、設備投資など多くの資金が必要になりますが、移動販売であればそれらの負担が少なく済みます。
一般的には、固定店舗の開業資金の5分の1から半分程度でスタートできるとされ、資金面でのリスクを減らすことが可能です。
そのため、本格的に独立を目指す方はもちろん、副業として試したい人にとっても始めやすい形態といえるでしょう。
固定費が抑えられる
固定費を抑えられることも、キッチンカーでモンブランを販売するメリットです。
通常の店舗営業では家賃や人件費が必要になり、売上があっても思うように利益が残らないこともあるでしょう。
しかし、移動販売なら決まった家賃を支払う必要がなく、人員も最小限で済むため、負担を大幅に軽減できます。
車両の維持費や保険料といったコストはかかりますが、固定店舗に比べればはるかに小さい金額で運営可能です。
出店場所の自由度が高い
キッチンカーは、固定店舗のようにお客様を待つのではなく、公園や観光地、商業施設やオフィス街など、人の流れに合わせて柔軟に移動できます。
平日はビジネス街で働く人に、休日は観光スポットやイベント会場で家族連れに向けて販売するなど、ターゲットに応じて出店場所を変えることが可能です。
季節や時間帯によって出店エリアを工夫すれば、より多くのお客様に出会える機会が広がり、売上アップにつながるでしょう。
キッチンカーでモンブランを販売するデメリットと注意点
キッチンカーで人気のモンブランですが、販売する際には注意する点もあります。
キッチンカーでモンブランを販売するデメリットも知っておきましょう。
ランチ需要に不向き
モンブランは食後のデザートやおやつの時間に選ばれることが多く、昼食のメインとして求められることはほとんどありません。
そのため、オフィス街での昼営業よりも、午後のカフェタイムや観光地、週末のイベント出店などに力を入れる戦略が必要です。
出店のタイミングや場所を誤ると売上につながりにくいため、集客が見込める時間帯を見極めて柔軟に営業計画を立てましょう。
午後のイベントや夜のライトアップ会場ではデザート需要が高まりやすく、時間帯を工夫することで安定した売上を確保できます。
季節性がある
モンブランは、秋から冬にかけて人気が高まりますが、春や夏は需要が落ち込みやすいため、そのままでは売上に波が出てしまいます。
年間を通して安定した集客を目指すには、時期に応じて他のスイーツや冷たいドリンクを組み合わせるといった工夫をしましょう。
たとえば、暑い時期にはアイスやフルーツを使った軽いメニューを追加するなど、柔軟にラインナップを変えることが大切です。
電源やガスの確保が必要
電源やガスの確保が必要になることも、キッチンカー営業の注意点です。
出店する場所によっては電源やガス設備が用意されていないことも多く、その場合は自分で発電機やプロパンガスを準備しなければなりません。
事前に会場の設備状況を確認し、不足するものを補えるよう計画することが大切です。
モンブランのキッチンカーで人気のお店を紹介
全国には、多くの人を惹きつけるモンブランのキッチンカーがあります。
ここからは、話題を集めている魅力的なお店を取り上げて紹介します。
絹糸モンブラン専門店 キッチンゆうとはる
絹糸モンブラン専門店 キッチンゆうとはるは、「至福の1ミリ極上のくちどけ」をキャッチコピーに、愛知・岐阜県内をキッチンカーで出張販売する人気のお店です。
絹糸のように繊細で滑らかなクリームが特徴で、素材には高級和栗を使い、抹茶や紫芋も季節に応じて取り入れています。
岩倉市に本店を構え、24時間稼働の冷凍モンブラン自販機も設置しています。
フェリスキッチン
フェリスキッチンは、高級和栗を使用した0.8㎜の生搾りモンブランを看板商品に掲げ、宗谷管内を中心に販売しているキッチンカーです。
本物のおいしさを追求するオーナーが、本当においしいと感じた素材とレシピのみを提供しています。
滑らかなクリームと香り高い和栗の風味がしっかりと際立つ仕上がりで、一口食べただけでこだわりが伝わる一品です。
CRUNK TRUNK
CRUNK TRUNKは、鹿をイメージした可愛らしい「峠の鹿ちゃんモンブラン」を展開する人気のキッチンカーです。
飯能を拠点に埼玉・東京エリアで展開しており、高級感のある生搾りクリームを使った極細なモンブランをメインとしています。
また、豊富なドリンクメニューも揃えており、モンブランと飲み物の組み合わせも好評です。
栗ノ絲
栗ノ絲は、わずか0.5㎜の細すぎるモンブランを日本で初めて提供しています。
見た目の美しさだけでなく、素材選びや仕上げにもこだわっており、繊細なクリームと栗本来の風味を楽しめる一品です。
限定メニューや季節の素材を使ったアレンジも登場し、訪れるたびに新鮮な体験ができます。
いわまの栗
いわまの栗は、栗一筋15年の栗職人が作る唯一無二のモンブランを届けるキッチンカーです。
絞りたての栗の香りを最大限活かし、素材の風味を逃さない手法で丁寧に仕上げています。
また、さまざまなフレーバーのシェイクの上に、モンブランを贅沢にトッピングしたメニューも人気です。
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まとめ
モンブランのキッチンカーは、固定店舗に比べて費用を抑えやすく、場所を選ばず柔軟に営業できることが魅力です。
ただし、開業には資格や設備の準備に加えて、営業許可や出店場所の工夫など多くのステップがあります。
季節性や電源確保などの課題も把握したうえで、商品の強みを活かした戦略をしっかりと立てましょう。