キッチントレーラーの車検は、営業準備を進めるうえで必ず理解しておきたいテーマです。
見た目は店舗に近くても、キッチントレーラーの扱いは車両であるため、一定のルールや手続きが関わってきます。
本記事では、キッチントレーラーの特性を踏まえながら、車検で求められる基本的な考え方や押さえるべきポイントを解説します。
事前に全体像を把握しておくことで、準備不足による不安やトラブルを防ぎましょう。
キッチントレーラーとは

はじめに、キッチントレーラーの特徴と利用シーンを紹介します。
キッチントレーラーとは?
キッチントレーラーとは、エンジンをもたない牽引式の車体に調理設備を組み込み、別の車で引いて移動する飲食用の車両を指します。
走行機能がないため構造がシンプルで、設置後はそのまま店舗として利用できる点が特徴です。
牽引車を切り離せば、屋内やイベント会場にも自然に溶け込み、常設店に近い感覚で営業できます。
また、車高が低い構造は来店客との距離が近く、対面での接客がしやすいことも魅力の1つです。
移動用の車両に不具合が生じても、別の牽引車を用意すれば営業を続けられ、柔軟性の高い運営スタイルを実現できます。
キッチントレーラーがよく利用されるシーン
キッチントレーラーは、出店先で必要な許可を取得することで、キッチンカーと同じように幅広い場所で活用できます。
主に屋外で利用されるケースが多く、人の流れが生まれる商業施設の敷地や催しの会場をはじめ、観光客が集まる行楽地、期間限定の催事スペースなどで活躍する形態です。
設置後は独立した売り場として機能するため、イベント時の臨時店舗や集客を目的とした飲食提供にも適しています。
さらに、施設の条件次第では屋内に設けられることもあり、展示会や式典など、特別なシーンに合わせた柔軟な出店が可能です。
キッチントレーラーに車検は必要?
キッチントレーラーは、公道を走行して移動する場合、車検が必要となる車両に該当します。
道路上を走る以上、法律上は牽引される側の車として扱われ、所定の検査を受けたうえで登録手続きを行わなければなりません。
そのため、ナンバープレートの取得や強制保険への加入も必要です。
手続きを怠った状態で走行すると、法令違反として処分の対象になるため注意しましょう。
一方で、敷地内のみで使用し、一般道路に出ないケースでは扱いが異なる場合もあります。
利用方法や移動の有無によって必要な対応は変わり、導入時には使用環境を踏まえた確認をすることが大切です。
キッチントレーラーの車検について
ここでは、キッチントレーラーの車検有効期間と車検の受け方を解説します。
トレーラーの車検有効期間
キッチントレーラーの車検有効期間は、使用目的や車両区分によって変わることが特徴です。
自家用として登録した場合、車両総重量が750kg以下のトレーラーは、初回が2年、その後も2年ごとの更新となります。
一方、750kgを超える区分では、最初の検査は2年ですが、以降は1年ごとの受検が必要です。
事業用として利用する場合は、安全管理の観点から点検頻度が高く設定されており、多くのケースで毎年車検を受ける必要があります。
キッチントレーラーを導入する際は、重量や用途を事前に確認し、維持管理の計画を立てることが大切です。
トレーラーの車検の受け方
キッチントレーラーの車検を受ける方法は、大きく分けて専門業者に任せる方法と、自分で手続きを行うユーザー車検の2つがあります。
ただし、調理設備や給排水装置など独自の構造をもつキッチントレーラーは、整備や確認項目が多く、知識のないまま進めると負担が大きくなりがちです。
そのため、初めての車検や確実性を重視する場合は、経験豊富な業者に依頼する選択が安心といえます。
一方、費用を抑えたい場合は、所有者自身が検査場へ持ち込む方法もありますが、事前準備や技術的な理解が欠かせません。
ユーザー車検のやり方
ここでは、自身で手続きを行うユーザー車検の流れを紹介します。
①陸運局に検査予約を入れる
ユーザー車検を進めるうえで最初に行うのが、検査日の予約手続きです。
キッチントレーラーの区分に応じて、普通トレーラーは陸運局、軽トレーラーは軽自動車検査協会の専用サイトから申し込みを行います。
いずれもインターネット上で行い、事前にメールアドレスを登録して手順に沿って日時を選択しましょう。
手続きが完了すると受付に必要な情報が通知されるため、当日まで大切に保管してください。
なお、検査は有効期限が切れる前から受けられ、余裕をもって予約しておくことで、当日の進行もスムーズになります。
②必要書類の準備
ユーザー車検を行う際は、事前の書類準備が大切な工程となります。
専門業者に依頼する場合に用意する書類は、車検証、自賠責保険証明書、納税を確認できる書類のみです。
一方、ユーザー車検では、検査の申請書や重量税の納付書、検査用の用紙なども自分で揃える必要があり、準備する書類の数が多くなります。
検査申請に用いる用紙や重量税の納付書などは、当日に窓口で入手することも可能ですが、記入項目が多いため余裕をもって準備しておくと安心です。
書類に不足や記載漏れがあると検査を受けられません。
③保安基準を満たすように点検と整備を実施
ユーザー車検で合格するには、トレーラーが法令で定められた安全基準を満たしていなければなりません。
そのため、検査当日までに自身で点検と整備を行い、不備を残さない状態に整えておく必要があります。
具体的には、タイヤの摩耗や劣化、ランプ類の作動状況、反射材の有無、各部の固定状態、駐車時に車体を支える装置の働きなどを丁寧に確認してください。
わずかな不具合でも検査に影響するため、問題があれば早めに部品交換や修理を行いましょう。
日常的なチェックを習慣化しておくことで、車検前の負担を軽減できます。
④トレーラーを検査ラインに通す
予約と事前準備を終えたら、車検当日はトレーラーを自ら検査機関へ持ち込み、検査ラインを受検します。
普通トレーラーは、所定のラインに進み、係員の案内に従って各項目を確認していく流れです。
車体表示や灯りの作動、制動力などが順にチェックされ、必要に応じて下回りも見られます。
軽量タイプの場合は、場内に入らず停車位置で確認が行われることもあり、短時間で完了するのが一般的です。
検査中に牽引車の資料提示を求められることもあるため、事前に準備しておきましょう。
不合格の場合は、指摘箇所を整備後に再受検することになります。
⑤新しい車検証とステッカーを受け取る
検査ラインを無事に通過すると、確認を終えた検査証明書が発行され、それを所定の窓口へ提出することで、正式な登録手続きが完了です。
手続きが済むと、新たな有効期間が記載された車検証と、期限を示すステッカーが交付されます。
車検証はトレーラーが基準を満たしていることを示す大切な書類のため、内容に誤りがないか確認しましょう。
受け取ったステッカーは、指定の位置に貼付することで有効期限が一目で分かるようになります。
キッチントレーラーの車検費用
ここからは、キッチントレーラーの車検の費用相場と、具体的な費用について見ていきましょう。
種類ごとの費用相場
キッチントレーラーの車検にかかる費用は、車両の区分によって目安が異なります。
まず、重量が750kg以下の軽トレーラーは比較的負担が少なく、自分で手続きを行う場合は2万円前後、業者に任せると4万~7万円程度が一般的です。
750kgを超え2t未満の小型タイプでは、自己手続きで25,000円前後、依頼型では5万~9万円ほどが想定されます。
2t以上の普通トレーラーになると、簡易的な方法でも3万円前後、専門業者を利用すると7万~12万円程度が目安です。
選ぶ方法や整備内容により差が出るため、事前に確認しましょう。
車検にかかる費用の種類
車検にかかる費用を詳しく見ていきましょう。
法定費用
車検を受ける際に必ず発生するのが「法定費用」です。
検査方法や依頼先に関係なく支払う必要があり、主に重量に応じた税金、強制加入となる保険料、検査を受けるための手数料で構成されています。
金額は車両区分や有効期間によって定められており、自由に変更できるものではありません。
たとえば軽トレーラーでは、2年分の保険料と税金、検査料を合わせておよそ13,000円前後が目安です。
普通トレーラーの場合も保険料は同水準ですが、税額や期間が異なるため総額に差がでます。
業者に依頼した場合
トレーラーの車検を専門業者に任せる場合、法定費用とは別に、業者独自の基本料金が加算されます。
基本料金には、検査手続きの代行、各部の点検、最低限の整備作業などが含まれており、手間をかけずに車検を終えたい人に向いた選択肢です。
相場は、軽トレーラーや普通トレーラーで3万円台の代行費用が設定されることが多く、そこに法定費用や必要な整備代が上乗せされます。
車両が大型になると、車軸数や構造によって金額が変動し、総額が高くなるのが一般的です。
整備費用
車検時に発生する費用の中でも、車両の状態によって金額が変わるのが整備費用です。
整備費用は、点検の結果、安全基準を満たすために修理や部品交換が必要と判断された場合に発生します。
たとえば、タイヤの劣化や制動装置の消耗、ランプ類の不具合、車体下部の傷みなどが確認されると、作業内容に応じた費用が加算される仕組みです。
金額は使用年数や保管環境によって幅があり、軽微な対応で済むこともあれば、数万円規模になることもあります。
業者に依頼する際は、作業前に見積もりを確認し、内容を理解したうえで進めることが大切です。
キッチントレーラーの車検で注意すべきこと
キッチントレーラーの車検では、一般的なトレーラーに求められる確認項目に加え、車内に設けた設備もチェック対象となる場合がある点に注意が必要です。
調理機器や配管、配線などは安全性が重視され、固定状態や劣化の有無を見られます。
さらに、ロフト構造や独自設計のレイアウトを採用している場合は、その形状に応じた安全基準への適合も必須です。
後付け設備による重量の偏りや過積載も見落としやすく、事前確認が欠かせません。
設備不良は不合格の原因になるだけでなく、営業時の事故につながる恐れがあるため、入念な点検と整備を行いましょう。
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まとめ
キッチントレーラーの車検では、一般的なトレーラーとしての基準に加え、設備や構造に応じた確認が欠かせません。
検査対象や費用を把握し、事前に点検や準備を進めることで、車検当日のトラブルを回避しましょう。
安全性を確保することは、営業を継続するうえでの信頼にもつながります。
必要な手続きを計画的に進め、法令を守った運用を心がけることで、安定した営業を目指しましょう。