
近年、キッチンカーをはじめとした、移動販売車や移動店舗車の需要が高まっています。
ジャンルは幅広く、マッサージサロンやネイルサロンといった美容系のビジネスも広がりつつあります。
本記事では、移動店舗車でマッサージサロンを開業したい人に向けて、開業の流れや集客の方法を解説します。
新業態へ挑戦したい方は、ぜひ参考にしてください。
移動式マッサージサロンの開業に必要な資格・許可
まずは、最初のステップである移動店舗車でマッサージサロンを開業するための資格や許可を確認していきましょう。
移動サロンは資格がなくても開業できる!
移動式マッサージサロンの開業には、特別な資格は必要ありません。
しかし、移動店舗車ではあん摩マッサージ指圧師や鍼灸師、柔整師など、国家資格が必要な施術は行えないことを理解しておきましょう。
なぜなら施術に必要なスペースや消毒、換気などの設備が義務付けられているため、許可を取ることが難しいからです。
そのため、あん摩マッサージ指圧師や鍼灸師、柔整師の資格を持っている場合でも、移動店舗車においては整体やリラクゼーションの施術を行うことになります。
また、新規開業の場合、税務署に個人事業の開業届出書の提出が必要です。
開業する前に取得しておくとよい資格は?
移動式マッサージサロンは資格不要で開業できますが、お客様の信頼を得るために資格を取得しておくとより安心感を与えられます。
リラクゼーション系マッサージ・エステサロンに役立つ資格を紹介します。
- アロマテラピー検定、アロマテラピーアドバイザー
- リンパケアセラピスト、リンパドレナージュセラピスト
- 足つぼ、リフレクソロジー
- 認定エステティシャン(日本エステティック協会)
移動店舗車でマッサージサロンを開業する流れ
次に、移動店舗車でマッサージサロンを開業する流れを説明します。
サロンのコンセプトを固める
移動式マッサージサロンを開業するための準備として、最初にお店のコンセプトを固めることが大切です。
以下のイメージで、どのようなお店にしたいのかを具体的に考えましょう。
- 施術内容
- お客様の年齢層、どのような方に施術するか
- 料金、コースの内容
- 売上
- サロンのイメージ
自分のお店がお客様に対して提供できる価値を考え、コンセプトやターゲットを設定しましょう。
営業形態と出店場所を決める
コンセプト作りができたら、次に営業形態や出店場所を決めましょう。
マッサージサロンやリラクゼーションサロンには多様な営業スタイルがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
1.テナント
テナントを借りて、マッサージサロンを開業する方法は、最も一般的です。
人通りの多い場所に出店することで、集客・宣伝効果が期待できます。
しかし、テナントを借りる場合は、出店にあたり相応の初期費用がかかることと、毎月の家賃や維持費もかかることを考えなければなりません。
2.自宅サロン
自宅を改装し、マッサージサロンとして開業する事例も少なくありません。
自宅の場合は家賃がかからないというメリットはありますが、場所によっては集客が難しい場合もあります。
また、生活感が出ないように工夫も必要です。
なお、自宅がマンションの場合は、営利目的の利用が可能かどうか、管理会社に確認して許可を取る必要があります。
3.レンタルサロン
レンタルサロンは日時を指定して必要なときに借りられるので、初期費用が少なく、手軽に開業できます。
しかし、自分専用のサロンではないため、内装を自由にコーディネートすることができません。
また、同じ場所で常に営業するわけではないことから、新規のお客様が訪れることはあまり期待できないでしょう。
4.移動サロン
移動店舗車の場合、メリットは家賃がかからないという点です。
車両を購入するための費用やガソリン代などは必要ですが、テナントやレンタルサロンよりも維持費が抑えられるため、施術料金を低めに設定しても利益を得やすいでしょう。
ただし、自分のスタイルで働きやすい一方で、移動時間も営業時間と考慮する必要があり、1日に対応できる人数が限られてしまうこともあります。
5.フランチャイズ
フランチャイズに加盟して、マッサージサロンを開業することも一つの方法です。
知名度の高いフランチャイズと契約する場合、営業ノウハウや宣伝、技術面などのサポートが受けられます。
しかし、ロイヤリティの発生や本部の方針に従った経営をしていかなければなりません。
開業資金を準備する
マッサージサロンの営業形態や出店場所が決まったら、開業資金を準備します。
営業形態や規模により異なりますが、移動式マッサージサロンを開業する場合は、車両購入費、内装・備品費、広告宣伝費などが必要です。
具体的には、300~450万円ほどかかると考えておくとよいでしょう。
なお、テナントを借りる場合は、物件取得費や内装工事費、什器・備品費、広告宣伝費などがかかり、最大で600万円以上の費用がかかるケースもあります。
車両・設備を揃える
移動店舗車でマッサージサロンを開業する場合は、移動用車両をはじめ、設備や備品を揃えます。
必要な設備や備品は主に以下が挙げられますが、施術メニューに応じて用意しましょう。
- 施術用ベッドや椅子
- 電気設備
- 冷暖房
- タオル
- ガウンやショーツ
- 消毒
- カルテや領収書
また、移動用車両については後ほど詳しく紹介します。
集客の方法を考える
移動式マッサージサロンを開業する際は、集客の方法も考える必要があります。
具体的には、TwitterやInstagramなどのSNSを活用した宣伝が効果的です。
サロンを訪れたお客様がSNSでお店の情報を発信することで、新規顧客が増える可能性があるため、SNSでの発信は欠かせません。
また、ホームページを作成したり美容やエステのポータルサイトに登録したりもよいでしょう。
移動店舗車の入手方法は?どんな車両がおすすめ?
ここでは、移動店舗車の入手方法やおすすめの車両を紹介します。
移動店舗車の入手方法は大きく3つ
移動店舗車の入手方法は大きく分けて、「新車を購入する」「中古車を購入する」「レンタルを利用する」の選択肢があります。
ただし、移動店舗車はキッチンカー仕様が多いため、マッサージサロンで使用するためにはオリジナルの移動店舗車を製作するのがおすすめです。
移動サロンカーにおすすめの車両
マッサージサロン用の移動サロンカーにおすすめの車両は、「軽トラックベース」「1tトラックベース」「1.5tトラックベース」の3タイプです。
それぞれの特徴を紹介します。
- 軽トラックベース
軽トラックベースの車両はコンパクトな設計で運転がしやすく、狭いところにも出店できるという特徴があります。
また、ランニングコストを低く抑えることができるため、経費もあまりかかりません。
ただし、寝転んで行うマッサージは行いにくいでしょう。 - 1tトラックベース
1tトラックベースの車両は軽トラックベースよりも車内が広いため、寝転んで行うマッサージも行いやすいことが特徴です。
また、普通車が駐車できるスペースがあれば出店可能ですが、狭い道路では運転しにくいかもしれません。 - 1.5tトラックベース
圧倒的な存在感がある1.5tのトラックベースは施術に必要な設備を搭載しやすいほか、長距離の運転でも運転手の負担が少ない点が特徴です。
大型のイベントなどで使われることも多い車両ですが、狭い道路では運転しにくいでしょう。
移動式マッサージサロンでの集客のポイント
移動式マッサージサロンでの集客のポイントは、どのようなところにあるのでしょうか。
サロンの強みを明確にする
マッサージサロンには、手軽に行えるクイックマッサージサロンやアロママッサージを行うリラクゼーションサロンなど、サロンごとに独自のメニューや強みがあります。
そのため、他店と差別化を図れるよう自身のサロンの強みを明確にしましょう。
具体的には以下を意識します。
- 施術内容の明確化
どういった施術でお客様の悩みを解決し、どのような効果が得られるのかをアピールする。
アロママッサージやリンパマッサージ、リフレクソロジーなど施術内容や使用する道具、オイルなどを詳しく説明する。 - ターゲットの明確化
自身のマッサージサロンがどういった悩みをもつ人に適したサロンか、ターゲットとなる人を明確にする。 - プロフィールの充実
TwitterやInstagramといったSNSでの宣伝には、見た人が自分に合うサロンか判断できるようプロフィールを充実させる。
料金の安さにこだわらない
集客のためとはいえ、安易に値下げして施術することはおすすめできません。
なぜなら、利益が上がらないままお客様の対応に追われたり安っぽい印象を与えたりする可能性があるからです。
最初に決めたサロンのコンセプトやターゲットをもとに、適切な料金を設定しましょう。
リピーターの獲得に力を入れる
安定した集客を目指して、リピーターの獲得にも力を入れましょう。
顧客満足度を高める施術や接客を徹底することはもちろん、クーポンやポイントカードなども導入することで再来店を促せます。
ただし、「売上を上げたいから」という目線ではなく、お客様の立場でリピートしたくなる仕組みを考えることが大切です。
個人でサロンを開業する前に知っておきたいこと
ここでは、個人で移動式マッサージサロンを開業する前に知っておきたいことや注意点を解説します。
業務の負担が大きい
個人でマッサージサロンを開業する際は、すべての業務を自分で行う必要があります。
業務の負担が大きいために体調を崩してしまわないよう、業務外ではリラックスして健康を保つようにしましょう。
マッサージサロンの経営者が体調不良ではお客様に不安を与えかねません。
1日の売上が限られる
個人の移動式マッサージサロンでは、どうしても1日に施術する人数や売上が限られてしまいます。
そのため、大きな売上を上げることはなかなか難しいと言えるでしょう。
売上を上げるためには、先述の通りリピーターが増える工夫を考えましょう。
他店との差別化が重要
移動式マッサージサロンは競合店が少ないものの、個人でマッサージサロンを開業する際は他店をよく調査しましょう。
移動店舗車は施術する場所を選ばないため、広範囲まで訪問できることが強みです。
加えて、数あるマッサージサロンの中から選ばれるためには、他店にない施術やサービスを考え、差別化を図ることが重要です。
移動店舗車でサロンを開業するメリット・デメリット
ここでは、移動店舗車でマッサージサロンを開業するメリット・デメリットについて考えていきましょう。
移動サロンを開業するメリット
移動式マッサージサロンを開業するメリットには下記のような点が挙げられます。
- 家賃がかからない
- 自分のペースで働ける
- 広範囲で集客ができる
- リピーターを獲得しやすい
移動店舗車でマッサージサロンを開業するメリットは、初期費用を抑えられる点にあります。
また、自宅サロンと違って広範囲で営業ができるため、幅広いお客様の施術が可能です。
さらに、移動式マッサージサロンは競合店が少なく、需要も見込めるメリットがあります。
移動サロンを開業するデメリット
移動式マッサージサロンを開業するデメリットには下記のような点が挙げられます。
- 移動時間がかかる
- 駐車場の確保が難しい
- 収入が安定しにくい
移動式マッサージサロンは施術場所までの移動距離があるため、移動時間を考えたスケジュールを立てなければなりません。
また、場所によっては駐車場の確保が難しいこともあるでしょう。
自分のペースで働けるメリットがある反面、集客を考えて営業しなければならないため、安定するまでは収入が少なくなることも考えられます。
発見!移動式リラク・マッサージサロン4店舗を紹介
最後に、移動式リラク・マッサージサロン4店舗を紹介します。
サロンごとの特徴も紹介するので参考にしてください。
移動サロンカー「GROUNDWORK Vehicle」
GROUNDWORK Vehicle(グラウンドワーク・ビークル)は、日本初のキャンピングカーを使用した移動式リラクゼーション&エステです。
クイックマッサージやリフレクソロジー、小顔調整などのメニューをはじめ、車外で受けられるマッサージメニューも充実しています。
移動式リラクゼーションサロン Noel
愛知県弥富市が拠点の移動式リラクゼーションサロンNoelは、「お客様と共感しあい、寄り添える」がコンセプトのサロンです。
キャンピングカーで、ボディケアをはじめ、フットリフレクソロジー、ハンドリフレクソロジー、フェイスセラピーなどの心と体を癒すメニューを豊富に提供しています。
POLAサロンカー
POLAの最新のエステ技術を体験できる、POLA初の移動式エステサロンカーは岐阜県を拠点に営業しています。
フェイシャルコースをはじめ、低周波を使ったフェイシャルトリートメント、背面ケアなどの施術が受けられます。
移動サロンCar RIRAKU
移動サロンCar RIRAKUは内装にこだわっており、実際のサロンで使用されるサイズで設計されています。
メニューは60~120分までとシンプルに構成され、上質な空間で本格的な施術を受けられます。
移動サロンカーの製作・販売は「MYキッチンカー」!
MYキッチンカーは、幅広い移動店舗車や移動販売車の製造・製作を行なっております。
日本全国に対応しており、お客様のご要望や予算に合わせて最適な車両をご提案いたしますので、移動サロンカーの購入を検討している方はMYキッチンカーにお任せください!
また、数々の成功事例をもとに開業後もトータルでサポートいたします。
移動式マッサージサロンの開業に不安がある方も、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
移動式マッサージサロンは、施術場所を選ばず、幅広いお客様に対応できるメリットがあります。
また競合店が少ないため、営業や集客次第で成功させられるでしょう。
すでにマッサージサロンの店舗を展開している方もこれから開業する方も、ぜひ本記事を参考に、移動式マッサージサロンの開業に向けて準備を行なってください。