
「キッチンカーで焼き鳥屋を始めたい!」という方に向けて、キッチンカーで焼き鳥を販売するメリットやデメリット、開業準備について詳しく紹介します。
開業のための各種手続きや成功のコツも紹介しているので、記事を読み終わるころにはキッチンカーの開業までの流れや、考えるべきことについてを十分に理解できるはずです。
キッチンカーで焼き鳥を開業するメリット
キッチンカーで焼き鳥を開業する主なメリットは以下の4つです。
- 世代を問わず人気が高い
- 夜だけでなく昼間も売れやすい
- 調理の工程がシンプル
- 初心者でも始めやすい
世代を問わず人気が高い
焼き鳥は、子どもからお年寄りまで幅広い年代に人気のある食べものです。
スーパーやショッピングモール、イベント会場などの人が集まる場所で出店をすれば、多くのお客様を呼び込むことができるでしょう。
定めたターゲット層にもよりますが、性別や世代を問わずに焼き鳥を楽しんでもらえるよう、子ども向けのメニューや健康志向が高い女性向けのメニューなどを作ると、より多くの人の関心を引くことができるはずです。
夜だけでなく昼間も売れやすい
焼き鳥は、お酒のおつまみとして人気なだけではありません。
焼き鳥は1本あたりの値段が安く、持ち運びがしやすいので、昼間でもよく売れます。
串に刺さっていて食べやすく、小腹を満たしたい人やテイクアウトしたい人、食べ歩きしたい人などにも人気です。
お昼から夜の時間帯まで営業するのであれば、お昼は持ち運びやすさや手軽さに特化したメニュー、夜は居酒屋のようにお酒と楽しめるメニューのように、昼と夜で提供する内容を変えてもよいでしょう。
調理の工程がシンプル
焼き鳥の調理工程は、お肉や野菜を串に刺して網で焼くだけと非常にシンプルです。
仕込みや提供に時間と手間がかからないため、注文が入ったらすぐにお客様に提供できます。
串を焼く作業にはある程度の技術が必要ですが、基本的な工程がシンプルであるため、難しい作業ではありません。
初心者でも始めやすい
焼き鳥のキッチンカー開業には、特別な知識や専門的な技術が必要ないため、初心者でも始めやすいと言えます。
キッチンカーの開業に関しては、開業サポートを行なっている事業者も多いため、経営経験のない人でも気軽に始められます。
また、焼き鳥は肉のさばき方や串の刺し方、焼き加減などで味が変わる奥深い食べものです。
居酒屋や焼き鳥屋、専門学校などで十分な修行を積んでからキッチンカーを開業している人も多いため、開業後は試行錯誤を繰り返し、研究をし続けていく姿勢が非常に重要です。
キッチンカーの焼き鳥屋のデメリット
キッチンカーで焼き鳥を販売するメリットがある一方で、デメリットもあります。
キッチンカーの焼き鳥屋の主なデメリットは以下の2つです。
- 人気だからこそ競合が多い
- 衛生管理に気を配る必要がある
人気だからこそ競合が多い
焼き鳥のキッチンカーは人気が高く、競合が多いという事実があります。
修行を十分に積んできた個人経営者や、焼き鳥専門店が展開しているキッチンカーなどが多く、フランチャイズのキッチンカーもたくさん存在します。
競合が多い分、十分な利益を獲得するためには、独自性のあるメニューやピンポイントのターゲット層に絞ったメニューなどを制作して、他の店と差別化する工夫が必要です。
キッチンカー経営や飲食の提供が初めてである場合は、フランチャイズに加盟して、経営や技術のサポートを受けるのがおすすめです。
衛生管理に気を配る必要がある
焼き鳥屋では生肉を扱うため、徹底的な衛生管理を行う必要があります。
特に、夏場は細菌性による食中毒が増える時期です。
肉の中心までしっかりと火が通っていないと、鶏肉に多く見られる「カンピロバクター」による食中毒を引き起こしてしまう可能性があります。
自分のお店で提供した焼き鳥が原因で、食中毒を引き起こしてしまうと、営業停止もしくは営業禁止をせざるを得ない状態となってしまうため、日頃から調理器具や店舗内を徹底的に掃除し、手や服なども清潔に保ちましょう。
キッチンカーの焼き鳥屋で成功するためのコツ
キッチンカーの焼き鳥屋を成功させるためのコツは、以下の3つです。
- 肉の産地や炭など素材にこだわる
- 味付けにこだわる
- 出店場所も重要
肉の産地や炭など素材にこだわる
焼き鳥は、スーパーやコンビニなどにも売っており、実店舗やキッチンカーにわざわざ行かなくても購入できます。
そのため、焼き鳥屋の売上を上げるには、肉の産地や炭などにこだわり、自宅では食べられない味や付加価値を提供することが大切です。
部位ごとに産地を変えてもいいでしょうし、もしくは地元のお肉に絞ってメニューを展開してもよいでしょう。
さらに、北海道の「美唄焼き鳥」や愛媛県の「今治焼き鳥」のように、ご当地焼き鳥を展開すると、地元や地域の活性化にも貢献できるはずです。
味付けにこだわる
焼き鳥の味付けにこだわって、競合との差別化を目指しましょう。
焼き鳥の定番の味付けと言えば、タレと塩です。
市販のタレと塩を使用するのではなく、オリジナルのタレや秘伝のタレ、天然塩や岩塩などを使用すると味が大きく変わります。
さらに、出店場所やターゲット層に合わせて、アボカドソースや塩麹、ワサビなどの変わった味付けを展開すると、ここでしか食べられない特別感を演出できるでしょう。
意外と盲点?出店場所も重要
キッチンカーが出店できる主な場所は、スーパーやショッピングモール、イベント会場などです。
キッチンカーを開業して日が浅いうちは、なかなか出店場所を確保できずに焦ることもありますが、ただ何となく出店できる場所に出店するのはおすすめできません。
その場所にいる人のニーズに答えられなければ集客や売上にはつながらないため、自身のキッチンカーのコンセプトに合った場所に出店することが大切です。
まず、自分のキッチンカーのコンセプトやターゲット層を洗い出し、次に出店場所の人通りの多さや客層、雰囲気などをチェックして出店場所を決めましょう。
ネットの情報だけではわからないこともあるため、実際に足を運んでみるのがおすすめです。
キッチンカーで焼き鳥屋を営業した場合の収益イメージ
キッチンカーで焼き鳥屋を始める際には、どれくらいの開業資金がかかるのでしょうか。
また、年収はいくらくらいになるのでしょうか。
以下では、キッチンカーで焼き鳥屋を営業した場合の収益イメージを詳しく解説します。
キッチンカーで焼き鳥屋を開業するための資金
キッチンカーで焼き鳥屋を開業するための資金は、200〜500万円ほどです。
固定店舗で焼き鳥屋を始める際は、500〜1,000万円程度の開業資金が必要であるため、キッチンカーは約2分の1程度の資金で開業できることがわかります。
キッチンカーの開業資金に含まれる主なものは以下の通りです。
- キッチンカーの車両代:100~300万円
- 調理器具代:2~3万円
- 焼き鳥器:1~10万円
- 冷蔵庫:4~5万円
- 食品衛生責任者の取得費用:1万円程度
- 容器、包装:3,000~1万円
- 販促ツール:1万円前後
その他、メニューやホームページの制作費、内装費などがかかります。
キッチンカーの車両をレンタルしたり中古車を購入したりすると、開業資金を押さえられるでしょう。
キッチンカーで焼き鳥屋を営業した場合の主な経費
キッチンカーで焼き鳥を営業した場合の運転資金は、毎月10〜20万円前後です。
具体的には以下のような経費がかかります。
- 駐車場代:月2~6万円程度
- ガソリン代:月1~3万円(走行距離や車両の大きさによる)
- 保険料:年間4~7万円程度
- 車検代:2年間で4~7万円
- 水道光熱費:売上の1.5~2%程度
- 容器、包装の購入費用:売上の2%程度
- 出店料:1回2,000~10,000円
- 商品の仕入れ・材料費:売上の1~4%
その他、スタッフを雇う場合には人件費、メニューやショップカードなどを作る際は販促品の制作費用などがかかります。
それに加えて、高速や有料道路を利用する場合は、ガソリン代以外に交通費も必要です。
集客や売上が見込める場所でも、遠方だと交通費がかかって利益率が悪くなってしまうため、交通費は売上の2%程度に押さえるとよいでしょう。
キッチンカーの焼き鳥屋の平均年収
キッチンカーの焼き鳥店の平均年収は、400〜500万円前後です。
焼き鳥店は初期費用があまりかからず、原価率も低いため、比較的高い利益率が期待できます。
焼き鳥の味を高めるのはもちろんですが、工程がシンプルである分、集客につなげる手段としてメニューの考案やSNS、サイト制作などに力を入れてもよいでしょう。
営業努力を続けていくうちに、売上もどんどん上がっていくはずです。
キッチンカーで焼き鳥屋を開業するための準備
キッチンカーで焼き鳥屋を開業するまでの流れや、営業に必要な資格・許可、必要な設備について紹介します。
キッチンカー開業の流れ
キッチンカーを開業するまでの流れは以下の8ステップです。
- コンセプトや戦略を考え必要コスト・予算を算出する
- 開業資金を用意する
- 必要な資格・設備・手続きを行う
- 出店場所を確保する
- キッチンカーを用意する
- 必要な保険に加入する
- 食材を仕入れる
- 広告やSNSで宣伝する
特に、キッチンカーの用意や営業許可に時間を要するため、開業までの期間は3か月程度を見込んでおきましょう。
キッチンカーを開業するまでの流れについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
営業に必要な資格・許可
キッチンカーの営業に必要な資格・許可は、「食品衛生責任者証」と「営業許可」の2つです。
キッチンカーで飲食物の提供をする際には、1施設につき必ず1名以上、食品衛生責任者証を取得する必要があります。
食品衛生責任者証は、各都道府県で行われている食品衛生協会の「食品衛生責任者養成講習会」を受講すると取得できます。
資格を取得したら、各都道府県の保健所で営業許可の申請を行いましょう。
以前まで、営業許可は販売するメニューや方法によって、「飲食店営業」と「菓子製造業」「喫茶店営業」の3つに分かれていましたが、2021年6月1日からはすべて「飲食店営業」の許可のみへと変更になりました。
よって、キッチンカーの焼き鳥屋も飲食店営業で営業許可の申請を行います。
営業許可について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
キッチンカーの焼き鳥屋に必要な設備
キッチンカーの焼き鳥屋に必要となる主な設備は以下の通りです。
- 焼き鳥器(ガス式・電気式・木炭式)
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 換気扇
冷蔵庫と換気扇はほとんどの場合、キッチンカーの基本設備に含まれています。
しかし、冷凍の焼き鳥を使用する場合は冷凍庫の取り付けや、煙が出て既存の換気扇で足りない場合は、より大きいサイズや優れた性能の換気扇を用意する必要があるでしょう。
また、焼き鳥器は大きく分けて、ガス式と電気式、木炭式の3つに分類できます。
ガス式
ガスコンロのように点火するだけで加熱できる焼き鳥器です。
3〜5万円前後で購入でき、外側はカリッと、中はジューシーに焼き上がります。
木炭式
炭に火を付けて高温で焼き上げるタイプの焼き鳥器で、1〜10万円まで幅広いタイプのものがあります。
炭火起こしやうちわ、火消し器などが別途必要で、煙っぽくなってしまうという難点がありますが、ガス式よりも高温で焼くことができ、香ばしい備長炭の香りが楽しめるのがメリットです。
電気式
コンセントにつないでスイッチを押すだけの焼き鳥器です。
価格が10〜50万円前後とガス式や木炭式よりも価格が高くなりがちですが、火事の心配がなく、安全性が高いというメリットがあります。
それに加えて、ガス式や木炭式のような焼き上がりに仕上げられるのも嬉しいポイントです。
全国の人気焼き鳥キッチンカー
全国の人気焼き鳥キッチンカーを4つ紹介します。
キッチンカーを開業する際の参考にしてみてください。
キッチントレーラー ケンタ
「キッチントレーラーケンタ」は、山梨県で移動販売を行なっています。
土日祝の夕方から移動販売を行なっており、「ねぎま」や「国産もも」、「かわ」などの定番焼き鳥に加え、「にんにく」や「トマとうがら串(もも)」などのオリジナルメニューも販売しています。
炭火で焼いているので香ばしく、非常においしいと人気です。
キッチントレーラーケンタの詳しい出店情報はSNSをご覧ください。
キッチンカー三美焼鳥
「キッチンカー三美焼鳥」は、北海道江別市で販売を行なっているキッチンカーです。
焼き鳥は毎朝1本ずつ手作りされており、冷凍保存もされていないため、新鮮でおいしい焼き鳥を味わうことができます。
また、味付けにもこだわっており、塩は三美焼鳥オリジナルのブレンド塩を使用しています。
キッチンカー三美焼鳥の詳細や出店情報を知りたい方は、公式サイトやSNSをご覧ください。
やきとりともちゃん
「やきとりともちゃん」は、福島県矢吹町で販売を行なっているキッチンカーです。
焼き鳥だけではなく、「豚丼」や「レバー丼」、「つくね丼」などのご飯ものも展開しています。
国産のお肉とこだわり抜かれた秘伝ダレが人気です。
やきとりともちゃんの詳細やメニューは、Instagramでチェックできます。
備長焼焼鳥まるの
「備長焼焼鳥まるの」は、福岡県で移動販売を行なっており、福岡市に実店舗があります。
移動販売では、店舗で展開している40種類以上の中から厳選された10種類の焼き鳥が販売されています。
出店情報などの詳細については、公式サイトやInstagramをご覧ください。
キッチンカーで焼き鳥屋を開業するならMYキッチンカーにご相談を!
キッチンカーで焼き鳥屋の開業を考えている方は、お気軽にMYキッチンカーにご相談ください。
MYキッチンカーでは、キッチンカー・キッチントレーラーの製造販売やレンタルはもちろん、出店サポートも行なっています。
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「開業したいけど不安がある」という方は、ぜひMYキッチンカーにご相談ください。
まとめ
焼き鳥は老若男女問わず人気の高いメニューです。
焼き鳥は人気が高い分競合も多いため、キッチンカーで焼き鳥屋を始める場合はコンセプトやメニューを熟考して、しっかりとした営業戦略を立てるようにしましょう。