移動販売サービスを成功させるには、正しい手順を踏んで準備を進める必要があります。

本記事では、移動販売の概要やサービスを開業するための7ステップ、成功させる4つのコツを徹底解説します。

これから移動販売サービスを始めようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

移動販売サービスとは

移動販売サービスとは、営業場所を固定せず販売用に改造した自動車で商品を販売する業態です。

現在は可愛らしい外観の車体でスイーツやランチメニューを販売するなど、おしゃれな移動販売店も増えてきています。

移動販売サービスは店舗ごと移動できるため、ターゲット層や商品・サービスに応じて自由に営業場所を変えられるのが大きな特徴です。

人が集まりやすい場所や商品の特性を活かして販売できるかどうか、が成功のカギと言えるでしょう。

買い物難民を救う移動スーパー

移動販売の中でも最近注目されているのは、昭和の時代に地方の過疎地域や団地で多く見られた「移動スーパー」です。

スーパーやコンビニの出店が増加したことで移動スーパーの数は激減しましたが、近年は人口が減少している地方でスーパーなどが撤退・閉店する事例も増えています。

その結果、日常的に買い物ができる場所を失った「買い物難民」と呼ばれる人たちが増加しました。

特に高齢者は遠方まで買い物に行きづらいため、近年は移動スーパーの需要が徐々に高まってきています。

移動販売サービスの主な営業形態

移動販売サービスは主に、「生活必需品販売型」と「イベント販売型」に分かれます。

生活必需品販売型

地方在住の買い物難民を救済するために、食料品・生活必需品・生鮮品などを提供する営業形態です。

地域住民が集まりやすい公共の広場や空きスペース、道端などに停車して商品を販売します。

週に1～2回ほど決まった場所や曜日、時間帯に販売するのが一般的です。

イベント販売型

ランチタイムのオフィス街・繁華街・ショッピングモールや商店街などで、食料品を提供する営業形態です。

調理設備がある移動販売車を使用するケースもありますが、保温・保冷設備とコンロ、焼き台を後付けしただけの軽トラックが用いられることもあります。

また、食料品だけでなくファッションや雑貨など、さまざまな移動販売車が存在します。

移動販売サービスを開業する方法

ここからは、具体的に移動販売サービスを開業するための7ステップを紹介します。

1.コンセプトを決める

まずはターゲットの客層や何を売るのかなど、経営の柱となるコンセプトや戦略を考えましょう。

コンセプトを決めたら、それに準じた必要コストを試算しておくことも大切です。

移動販売車での開業資金は約300万円が相場で、高くても500万円あればこだわった車両を購入できるでしょう。

2.開業資金を調達する

移動販売サービスを始めるための開業資金は、主に以下3つの方法で調達します。

• 自己資金を貯蓄
• 金融機関からの融資
• 投資家からの出資

自己資金を貯蓄する場合は自力で300〜500万円を捻出しなくてはいけないため、ハードルが高ければ金融機関から融資を受けるのがおすすめです。

特に初めて開業する人でも融資を受けやすい「日本政策金融公庫」であれば、約100〜200万円の貯蓄があればそれを担保にまとまった融資を受けられます。

投資家からの出資は、経営方針ですれ違いが起きたり利益配分でもめたりなどトラブルに発展しやすいので、注意が必要です。

自己資金を貯蓄するか金融機関から融資を受けるかのどちらかを選択するとよいでしょう。

3.営業許可を取得する

移動販売車で飲食業を経営する際は、必ず営業する都道府県の保健所から営業許可を取得する必要があります。

これまでは販売するメニューによって許可の種類が分けられていましたが、現在は飲食店営業に統一されています。

ただし、営業許可を取得するための条件は地域によってやや異なる場合もあるため、営業する地域の保健所へ事前に相談しておきましょう。

4.出店場所を確保する

保健所からの許可を取得したら、次は営業拠点となる出店場所を確保します。

移動販売には好きな場所で営業できるイメージがありますが、実際は出店場所の管理者からの許可が必要です。

特に人が集まりやすい人気の場所は競争が激しく、他の出店者に占有されるケースもあるため、出店したい場所を見つけたらすぐに行動しましょう。

また、出店場所によっては「出店料」がかかることも覚えておいてください。

移動販売・キッチンカーの出店場所や探し方を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

▼キッチンカーにおすすめの出店場所を紹介

5.移動販売車を手配する

出店場所が確保できたら、移動販売車を手配しましょう。

移動販売車を手配する方法と相場は、以下の4つです。

保健所からの営業許可を取得するには、給水排水タンクや照明、床素材、窓などの設備に条件が定められています。

新車を製作する場合は、あらかじめ条件を確認したうえで移動販売車の製作を進めましょう。

また、移動販売で飲食物を取り扱う場合は、狭い作業スペースでいかに効率よく調理・提供できるかがカギです。

車内に設置する冷蔵庫やガスコンロはコンパクトタイプを選んだりワンタッチで開閉しやすい提供口を準備したりなど、できるだけ効率化を目指しましょう。

なお、同時に「自動車保険」や「製造物責任保険」など保険の加入も必要です。

6.必要な食材を仕入れる

移動販売車が用意できたら、次は必要な食材を仕入れましょう。

仕入れの際に最も重要なのが、販売価格に対し原価がどれくらいの割合を占めるのかを表す「原価率」です。

たとえば、原価が150円の商品を450円で販売する場合、原価率は30%です。

飲食業を経営する際の原価率は30%以下が目安で、超えると利益が少なくなるリスクがあります。

できるだけ原価を抑えながら、手に取ってもらいやすい価格を設定しましょう。

7.開業に向けて宣伝する

最後は開業に向けて、宣伝をしましょう。

有料の広告を使う手段もありますが、できるだけコストを抑えるためにSNSとホームページを活用するのがおすすめです。

特にSNSはTwitterやInstagram、Facebookなど複数のツールを運用して窓口の数を増やすことで、より多くの消費者にアプローチできるでしょう。

移動販売・キッチンカーの開業準備をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

▼キッチンカーの開業準備や成功の秘訣を解説

移動販売の開業を成功させるコツ

移動販売は競合が多いため、成功させるには事前に戦略を練る必要があります。

以下では、移動販売の開業を成功させる4つのコツを紹介します。

売れる商品・メニューを選ぶ

ターゲット層に売れそうな商品やメニューを考えましょう。

移動販売で扱う食品は、アイスクリームやクレープなどのスイーツからホットドッグやケバブ、おにぎりなどの軽食までさまざまです。

特に弁当類は平日昼のオフィス街で、ビジネスパーソンを中心に人気があります。

売れる商品やメニューを選んだら、調理に時間をかけずに提供できるよう工程のマニュアル化を行なったり調理器具や設備の配置にこだわったりと工夫が必要です。

事前に出店場所を調査する

提供する商品の特性やターゲット層を想定した時間帯かつエリアで販売する必要があるため、出店予定の場所をリサーチしておきましょう。

特に集客力のある場所は多くの競合が出店を狙っているため、いち早く情報を仕入れてアプローチする営業力が求められます。

提供する商品やメニューに合わせて出店場所を選ぶと、失敗しにくいでしょう。

ホームページやSNSを活用する

移動販売を成功させるには、ホームページやSNSを活用して積極的に宣伝することも重要です。

出店場所と日時の目処が立ったら、告知を行なって周知しておくとよいでしょう。

また、事前に販売予定の場所でチラシを配布したり立て看板を置いたりするのも効果的です。

移動販売車の外観にもこだわる

移動販売車は印象に残りやすい見た目にするなど、外観にもこだわるとよいでしょう。

移動販売車は車体そのものが「動く広告塔」になるため、何を売っているのかがわかりやすく、なおかつ遠くからでも目立つような車体にするのがおすすめです。

【Q&A】移動販売サービスに関するよくある質問

最後に移動販売サービスに関するよくある3つの質問をまとめたので、移動販売サービスを始める前に確認しておきましょう。

移動販売サービスで売れる物って？

移動販売で売れる物は、大きく分けて「飲食物」と「生活必需品・サービス」の2種類です。

いずれにしても、営業予定の地域で需要があるジャンルのサービスを展開するようにしましょう。

移動販売で売れる物やサービスを詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

▼移動販売で売れている物や開業のポイントを解説

田舎で移動販売を開業するメリットは？

田舎で移動販売をするメリットは2つあります。

• 都会と違って買い物する場所が限られていて、買い物需要が高まっているから
• お客様とのコミュニケーションが取りやすく、信頼関係が構築しやすいから

田舎に住む人から直接ヒアリングすれば、提供する商品やサービスのイメージもつきやすいでしょう。

食べ物以外にはどんなサービスがある？

飲食物以外に移動販売が提供できるサービスは、以下の通りです。

• スーパー
• 美容室
• アパレル
• ネイルサロン
• リラクゼーションサロン
• サウナ
• 花屋　など

実店舗よりも低コストで始められるうえ、失敗のリスクが少ないというメリットがあります。

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専属の設計士が数々の成功事例をもとに、車両の見た目はもちろん、車内の使いやすさにもこだわって設計・製作いたします。

オーダーメイド製作のほか、購入、レンタル、リースなど、お客様のご希望に応じて最適なプランをご提案いたしますので、初めて移動販売サービスを開業される方もご安心ください。

また、MYキッチンカーなら開業支援からアフターサポートまで総合的な対応が可能ですので、「移動販売を開業したい」「移動販売車を探している」方は、ぜひ一度MYキッチンカーまでお気軽にご相談ください。

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まとめ

本記事では、移動販売サービスを開業するための7ステップと成功させる4つのコツについて紹介しました。

移動販売サービスは年々需要が高まっており、実店舗をもたずに許可さえ取得すれば開業できます。

ターゲット層にマッチした商品やサービスを提供できれば、競争が激しいエリアでも成功を掴むことができるでしょう。

これから移動販売サービスを始めようと考えている人は、本記事の内容を参考に準備を進めてみてください。